《重要》オランウータンと熱帯雨林の会 事務局からのお願い



 先ごろ某観光案内書に私どもが管理運営しているキャンプ・カカップが、観光地であるかような記事が掲載されました。

 キャンプ・カカップは研究施設であり、調査・保護活動の拠点の建て物です(キャンプには観光客用の宿泊所はありません)。一帯の地域は調査研究エリアとして私どもが日々維持管理しており、安易な観光客の誘致に類する行動は大変困ります。

 キャンプ・カカップの活動はインドネシア政府との間でMOU(覚書)を結んだ中で行っている学術研究活動であり、四半世紀にわたり森林の違法伐採問題をはじめ、多くの問題と対処しながら、現地の住民とともに一帯の森林の保全に努めてきております。

 現地は絶滅が危惧されているオランウータンの数少ない野生の生息地であります。私どもは専門家として、野生の動物がヒトに過度に慣れすぎることの無いよう、細心の注意を払いながら研究活動を続けております。観光客のみならず、不特定のヒトが出入りすることは、生息環境の変化、ヒトからの感染症の問題、森林内の維持管理等、多大な問題を発生させ、貴重な生息地の荒廃を呼びかねず、大変憂慮すべきことです。

 以上の理由より当地への立ち入りを自粛頂きますようお願いいたします。

 また、現地での取材、撮影は原則としてお断りしております。真摯、善意の取材であっても、結果として興味本位の訪問願望を惹起してしまうことを危惧するためです。なお、キャンプ・カカップに関する取材、お問合せは、必ずオランウータンと熱帯雨林の会事務局までお願いいたします。

 皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。
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