アジアの隣人 オランウータン
 
チンパンジーやゴリラはアフリカにくらしていますが、オランウータンは、東南アジアのボルネオ島とスマトラ島の熱帯雨林にだけくらしています。
 
 
 *ボルネオ島について
一般にボルネオ島とよばれますが、インドネシア部分はカリマンタン(Kalimantan)の呼称を使います。
  
地球環境にとってかけがえのない熱帯雨林だからこそ■
 
熱帯雨林が広がるのは地球上でも東南アジア、赤道アフリカ、中南米などのごく限られた地域です。生息する生物の多さ、種の多様さが特徴で、複雑な生態系を形成しています。全世界の生物種の半数以上が熱帯雨林に生息しているとも言われる生物の宝庫です。
 
 
二酸化炭素を多く吸収する熱帯雨林は、同時に、水分を蒸散させ雨をよび、大気の循環屋や海流の核となる地域です。近年の熱帯雨林の急速な減少は、地球温暖化、異常気象、砂漠化、CO2の増加等の地球環境問題に対して多面的な影響を及ぼしていると考えられます。
 
 
■東南アジアの熱帯雨林のシンボル・オランウータン

マレー語で「森の人」と呼ばれているオランウータンは、東南アジアのボルネオ島とスマトラ島の熱帯雨林にだけ生息する大型類人猿です。まさに東南アジアの熱帯雨林を象徴する生き物です。
 
 
オランウータンは、チンパンジーやゴリラと違い群れを作らず、一生のほとんどを熱帯林の木の上で過ごします。木の実、樹皮などを食料とするため、彼らは森がなくては生きていけません。
 
生息数は3万頭、あるいは1万頭以下ともいわれ、絶滅がささやかれていますが、実際は野生のオランウータンの研究者自体が少なく、きちんとした総合的な生息数調査は行われていません。近年の熱帯雨林の伐採・森林火災・樹木の盗伐などにより急速にその生息域を減少させていることは確かです。
 
オランウータンは絶滅に瀕しているといわれますが、彼らの窮境は、地球に暮らす私たちヒトの未来の窮境でもあります。オランウータンの生息地を守っていくことは、私たち人間がよりよく生きていく環境を将来にわたって維持していくことでもあります。
 

写真:焼けてしまった森
 
写真:焼け跡の森に座るメスのオランウータン

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