オランウータンと熱帯雨林の会(MOF)は、これまでの現地での研究・調査経験を踏まえて、より広範に、より多面的に保護・保全策を展開していくために設立されました。下記の活動を実現すべく、サポートしていきます。私たちの活動の推進には、資源利用国でもある日本からのご理解とご協力、そして働きかけが不可欠です。

計画の遂行には1、両国の協力関係、2、政府、企業、民間での理解と認識、3、長期・継続的な事業遂行能力、4、資金支援 が必要です。

みなさまのご理解とご支援を心よりお願いいたします。
 

現地インドネシアでの活動計画      

 1、国立公園内の整備とオランウータン保護地の拡充
クタイ国立公園は森林火災の影響を受けたとはいえ、現在でもオランウータンの主要な生息地であることには変わりありません。生物多様性の観点からも貴重な森林です。重点的保全地域を策定し、管理体制を整えていく必要があります。オランウータン研究センターや、エコツーリズムへの展望は国立公園側も望んでいるところですが、そのための資金が必要です。

 2、北部石灰岩地域(東クタイ県)の保全
オランウータンは、クタイ国立公園内の良好な森林地域とともに、東クタイ県中央部にあたるこの地域に、もう一つの大きな残存個体群として分布していることが判明しました。また森林植生、動植物相の面からも、この地を新たな国立公園として保全していくことを提唱していきます。

 3、既存の国立公園との間の緩衝地帯の整備・活用
国立公園内の管理を考える上で、現在放置されている石炭会社KPCと国立公園との間のバッファーゾーンの管理が非常に重要です。この地域の活用計画を軌道修正していく必要があります。この計画は将来的には石炭採掘跡地の森林再生計画、見直しが必要なオランウータンのリハビリ事業の再考案を含んだ広域の植林計画にもつながる広域の保全・再生事業です。

 4、低地熱帯雨林の調査と巨樹保護指定事業
低地熱帯雨林の現状調査とそれに基づく統括的な保全策の策定、提言により、現在残存している森林・生物種の保存・維持・存続を図ります。「ウリン‐フタバガキ混交林」の保全は学術的にも生物多様性温存の観点から急務であります。

 5、データベース・映像ライブラリー制作事業
野生オランウータンの映像資料はじめ、各種データの整理をし、データベース化することは、日本・インドネシア両国、および国際的にも学術資料として価値が高く、地球環境問題への啓発・促進にも役立つ、国際貢献としても重要な意義をもった事業であります。

 
 

 

● 一連の活動は、インドネシア政府森林省自然保護総局長、およびクタイ国立公園との間で交わしたMOU(覚書)に沿って遂行されます。国立公園外、内、緩衝地帯という3地域からの複合的な保全策の推進が有効であることを提言してきました。

●これらの現地事業はこれまで現地の活動の中心となってきた「キャンプ・カカップ」のスタッフを中心にクタイ国立公園との協働によって成り立っています。

 

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